【完】俺に惚れとけよ。




お互いがお互いを睨み合っている。


パチパチと火花が散っているよう。



「おい、優樹菜に何言ったんだよ。」


「あんたには関係ないでしょ?」



ずっと、優しい人だと思っていたのに。


もう、そんな考えどこかにいってしまった。


星夜くんのこの低い声も、誰かを睨んでいるこの顔も。


何も思わずに見られるようになってしまった。



それに........


この2人は、ただの学園1、2の王子様ってだけの関係ではない。


ずっと不思議だったんだ。


夏樹が星夜くんのことを知っているような発言。


私に、

“あんなやつやめろ”

“あんなやつのどこがいいの”


そう聞いてきた。


星夜くんだって、夏樹のことを“道端くん”と言うとき、少し変な感じがした。