【完】俺に惚れとけよ。




「温かい目で、見守っていてくれ。頼む。」



こんな夏樹、見たことない。


みんなの前で、頭を下げてる。



私のために、ここまでしてくれるなんて......


想像以上の行動に、言葉を失う。



「何言ってんの!応援するに決まってる!」

「夏樹が選んだ人だもん!」

「末永くお幸せにね?」



そんな声が、飛んできた。


頭を上げる夏樹。



う、嬉しい......


認めてくれたなんて。


私と夏樹は見つめ合って笑った。



「ラブラブねー。」


「ったく、熱すぎるんだけど。」


桃乃と、いつの間にか近くにいた斗真くんにあきれた目で見られた。



そんなことでさえ、幸せだと思った。


「ありがと。」


「当たり前だよ。」



この光景を、彼が見ていたなんて.......


私は考えてもなかった。