【完】俺に惚れとけよ。




まだ、彼女が私だと言うことは知れてないらしい。



「優樹菜ぁぁぁぁー!」


朝から私に抱きついてきた桃乃。


理由は分かってる。



「おめでとーーーうっ!」


「あ゙、あ゙りがど.......」


抱きしめる力が強すぎて、く、苦しい.....


昨日のうちに報告はしてなかった。



でも、学校にきてみんなが


『夏樹に彼女ができた』


なんて、言っていればそれが私だって言うことは、桃乃にとって一目瞭然なんだ。


桃乃を落ち着かせ、席につく。



「それにしても、ものすごい情報網だね。」


だって、昨日の放課後のことが今日にはもうこんな広まってて。


お、恐ろしい......


「王子様のことだからねー、仕方ないんじゃない?」


た、確かにね....


昨日、私と夏樹がやりとりしていたところを誰かに聞かれていたのかな?


だとしたら、これからずっとつけられるんじゃ......


そう思ったら、恐怖がおそってきた。