観覧車に乗ったのに、景色を見ずにずっと下を向いている夏樹。
まさか、高所恐怖状とか?
「優樹菜。」
「ん?」
「話、聞いてくれ。」
まっすぐ私を見てそういった夏樹。
なんか、こっちまで改まっちゃう。
2人きりの観覧車の中。
とても静かだ。
夏樹は、静かに語り始めたのだ。
「まず。文化祭のあとの話からだな。」
文化祭のあと、下駄箱でやりとりしたときのことだ。
私のことなんて何とも思ってない。
たまたま近くにいたから仲良くした。
そう言われたとき。
「優樹菜と初めて話したときから、興味持ってたんだ。
今まで、俺を見たら、小倉のファンのやつも俺にいい顔してたのに、お前は全く違ったから。
それであの時、まさか優樹菜に聞かれてるなんて思ってなかった。正直、驚いてた。
その場しのぎで言ってたつもりだった。
でも、優樹菜に聞かれて、泣かれて。俺、そのときは別にこのまま関係が終わってもいいと思ってた。
ほかに仲いい女子なんてたくさんいたし。」
私は黙って話を聞く。

