【完】俺に惚れとけよ。




家に帰り、私はすぐにお風呂に入った。


そして、唇を何度も何度も洗った。



今日触られた頭も、ゴシゴシ洗った。


体を全部力強く洗った。



洗い流したかった。全部。


いやな思い出も、全部.....


でも、流れてなんてくれなくて。



頭に浮かんでくるのはあいつの笑顔や、意地悪そうな顔で。



忘れたいことに限って、頭に残ってしまう。


『好き』


あの日の夜、あいつがつぶやいた声が頭の奥で聞こえた。



「うぅぅ.....」



シャワーの水に混じって、目からはたくさんの涙が溢れた。