【完】俺に惚れとけよ。




くすぐったくて、でもくすぐったいからって笑えないし。


変な感じ.....



「こっち、向かないの?」


「む、向かない!てか、近い!」



しゃべらないで!


しゃべるならもっと遠くにいって!



心臓がもたない。



「前向いてんのに俺が近くにいるってわかんの?」


「わ、わかるよ!」



横目でも、耳にかかる息でもわかる。


だから、もう少し離れて!



「そんな近くねーかもよ?」


「うそつくな!」


「じゃあ自分で確かめてみれば?」


そう言うと、私の顎を持って自分の方に向けた夏樹。


.......ほら。


近くないかも、なんて真っ赤な嘘。



鼻が触れてしまいそうなほど近くにいるくせに。


普通に嘘ついて。


そんな、勝ち誇ったような顔して。