そして、
「顧問が呼んでたよ?」
そう、星夜くんが言葉をかけたのは、
私────.....の、隣の席に座ってるバスケ部の子だった。
「まじ?ありがとう!」
私の隣の席の子は、星夜くんの言葉に教室を出ていった。
クラス中の女の子たちは、ホッとしたような感じだ。
まさか、学園いちの王子様がわざわざ自分のクラス以外の女の子に自分から話しかけにいった、なんてことがあったら、なにかと思うから。
「!!!」
星夜くんが教室から出ていくとき、私の体は固まった。
それは、星夜くんが教室を出てから数十秒後、
「........優樹菜?」
そんな、桃乃の怪訝そうな声を聞くまで全く動くことができなかった。

