だったら、することは、ひとつしかねーよな。



大熊さんの耳元に口を寄せて、そっと囁く。



「だから、あえてしたんだから」



「……?」



わざとわかりにくい言葉を使ったのは……。



大熊さんに考えさせるため。



「大熊さんにしかしないよ。
こんなこと」



そう言いながら、俺は大熊さんの髪をポンポンッと軽く撫でた。