理由は、簡単。



大熊さんと……ふたりっきりでしゃべりたかったから。



委員の仕事なんて、もちろん、口実。



生物室の整頓がひとりで大変なんて、さらさら思ってなんかない。



けど……。



気になる女子とは、少しでも一緒にいたいじゃん?



だから、この生物室の整頓の仕事は、好都合。



「それもそうだな……」



“うんうん”と小さくうなずいた中川先生が、大熊さんを呼んだ。