「主任。明日の運搬機械なんですが、容積が大きいので車両変更しますね」

「うん。自車がなければ委託してもいいよ」

「はい。調べてみます」

翌週。
何事もなかったかのように、日々の業務に追われる。

相変わらず、拓哉とは顔も合わせないで仕事の話をする。

あれから、ぼんやりとなにもせずに週末を過ごした。
時折、いつの間にか涙が頬を伝っていたが、それを拭うことすらしなかった。

拓哉と夢のようなひとときを過ごし、あのまま時が戻ると本気で錯覚しそうになった。

彼には婚約者がいるのに。

「秋田さん。午後から荷主に、新しいプランの説明に行くから。同行してくれる?」

急に声をかけられ、慌てて隣を向いた。