だけど、次の日も上手く言い出せなくて、その次の日もタイミングが掴めなくて、謝ることすらできない苛立ちが不安をどんどん煽って行った。


まずは、あいつに謝りたい。

それから、ちゃんと気持ちを伝えたい。

なのに、きっかけがつかめないまま、日付だけが過ぎて行く。


上手く話しかけられず、焦る気持ちが、さらに不安に拍車をかける。

このまま、あいつの気持ちが離れて行ったらどうしよう..........


そこへ今度は、俺の受け持つ新店がオープンを迎える。

グリーンピアほどではないけど、そこそこ売り上げの見込める大型ホームセンターだ。


準備期間になれば、きっと忙しくて、またまともに話せなくなる。

陳列の応援要請も来てないから、そのドサクサに紛れていう訳にも行かなそうだ。


だけど、こんな状態が続くのはもう耐えられない。

ホームセンターのオープンで、しばらく顔を見られないと思うとなおさらだ。

ここは勇気を出して、どこか会社以外の場所に呼び出すしかないのかな..........

.
そう思い始めたある日、本社に会議で行っていた主任が、いつもにも増してニヤニヤした笑顔を浮かべて帰って来た。

見ると、手には、誰もが知ってる有名洋菓子店の大きな紙袋を下げている。