2限の終わりも3限の終わりも、ヤヨがあたしの席に来る気配。

いや、勘違いかもしれないけど。


でもね、一応トイレに行くね。




「芙祐さ、弥生のこと避ける意味ってなんなの?」



藍ちゃん、リップクリームを塗り塗りしながら、あたしに訊く。
やや呆れ顔だね。



「ヤヨと仲良くしたら、慶太くん嫌でしょ?」



「ふぅーん?」



腑に落ちないんだね。そんなリアクションだね。



リップ塗り塗り。もううるうるだから大丈夫だよ、藍ちゃん。







放課後になったけど、委員の仕事ナシ。
先生自粛中。



慶太くんのおかげだよ。
でもちょっと可哀想だから、
もう少し反省したら手伝ってあげるね。センセ。




わいわいがやがや、賑やかな教室。



置き勉するために、山積みの教科書を抱えて教室の後ろにあるロッカーへ。
おっけー、ギリギリ入ったよ。収納美人。



満足顔であたしの席に戻ろうとしたら。