1日がおわって、放課後の委員の仕事も何事もなく、普段通り。
……だったのに、やっぱり、ヤヨはいい子だから。


「あのさ…、昨日は悪かった。ごめん」


「いや、全然。なんとも。あたしの価値観が無理なのは元からわかってるし…ね?へへ」


ホチキスパチンと留める。
今日は四隅ちゃんと揃えてるよ。
いま怒られたら凹みそうだからね。



「無理っていうか、そうじゃなくて。ごめん、まじで口がすべったっつうか」


「まーったくひどいよね。好きだみたいなこといった相手にボロカス言うんだもん」


ふざけて返しても、ゴメンって。
ゴメンの星からやってきたな、ヤヨめ。



「ヤヨのさ、あたしのこと好きっていうのも冗談でしょ?昨日のでわかったし、逆に一気にスッキリしたよ」



かえって良かった。
ってにっこりピース。



「そうじゃないから」



「え?」



しぃん……教室に一瞬の静寂。



「それってどういう」「弥生ー、さっき外でお前のツレが待ってたけど」



こんな大事な話の途中で、クラスメイトのやーまーだー。


「え?誰?」


「こんくらいの髪の」


って言いながら、ジェスチャーする髪の長さはショートなのかロングなのか。
わかりづらすぎ。
雑。山田。



「ふーん、まあいいや、さんきゅ」



ヤヨもつっこむのすらやめたよね。