折角格闘特区に来たのだからと、莉々は鬼龍を食事に誘った。

格闘特区でも有名な、美味い中華と酒を楽しめる酒家だ。

「紹興酒や老酒もあるらしいですけど…鬼龍さんどうしますか?」

歩きながら、莉々が肩越しに振り返る。

「未成年連れで飲酒はマズイアル。酔って莉々ちゃんに介抱させる訳にもいかないし…節度は守らないと」

酒は控えておくと告げる鬼龍。

「流石、天神地区きっての武家の奥方は違いますね」

「止してほしいアル、亭主の事は好きアルが、今でも奥方なんて柄じゃないと思っているアルよ」

そう言う鬼龍と、莉々は笑い合った。