聞こえるのは

「えっまってごめん。だから泣くなって」

岩崎の焦る声と

私の泣き声と

だんだん早くなる花火の音


「泣くなって。

…ほら、花火見れないだろ」

「うん」

連続で上がる花火は

見惚れるぐらい綺麗で、明るくて

私たちの顔を照らす。

花火は

ここに届きそうなくらい

近い空で、何粒もの明かりが降ってくる