「お前、またレイを傷付ける気かよ！」
「ハル。いいよ、行こう。」
くるりと振り返る冷夏に春香はでも、と少し躊躇った。
すると、冷夏の手を朱威は取った。
「おま！」
「レイちょっと来い。」
「いや！何するの！！」
冷夏を強引に路地に連れて行った。
「何で俺を避ける。」
「なんでって、朱威くんとは終わったの！浮気したから…」
「ごめん、でも、もうしない！お前だけだ！」
冷夏は離して、と朱威の手を振り払うと「もう遅いよ。」と言って走って行った。
すると朱威はニヤッと口角を上げた。
冷夏が走っていると春香が走って来ていた。
「レイ！」
「ハル！」
「何もされなかった？！」
「うん、」
春香はホッと肩を落とした。
その様子を見て冷夏はどれだけ心配してくれていたかを感じていた。
「あいつ、レイは俺のものなのー！」
春香が目を狐の様に棒にさせて冷夏に抱きついていると冷夏は少し笑いながら歩いて行った。
「レイ、、よし、俺も頑張って男らしくなってレイ守んなきゃ。」
「？どうしたの、ハル行こ？」
「うん！」
二人が歩いている後ろ姿を朱威は笑いながら見つめていた。
狂気の混んだ眼差しで。
