「レイ、起きろー」

「せっかく寝てたのに…」

「はは、ごめん。」

このワタシの頬をプニプニと指で指していた容姿だけは格好良い男は、黒瀬 春香(クロセ ハルカ)
まあ、性格もまあまあ良い。

で、ワタシは九條 冷夏(クジョウ レイカ)。

この男とは幼稚園から幼馴染で。


冷夏が考えながら歩いていると春香とは距離が段々と広がって行った。


「レイー早く行こー!」


「ハル、待って!足の長さ考えて!」


ハルは180近く背があってまあ勿論足も長いわけで…

一緒に歩いていると、160くらいしか無いワタシはペースが速くてついていけない……


「ごめん、ほら、行こ?」


スッと春香が冷夏に手を伸ばすと冷夏は笑いながら春香の手を取ってサラリと文句を垂れた。


「もう幼稚園児じゃないんだよ?」

「いーじゃん。」


仲睦まじく二人が帰っていると冷夏の名前が誰かに呼ばれた。
振り返るとそこには

「朱威くん…」


冷夏の元彼 七瀬 朱威が立っていた。