「井上!ノート見せて。」 「また?自分でノート取ったら?」 …なんて嫌そうな顔をしながらも、俺にノートを貸してくれる彼女。 彼女の名は、 井上(いのうえ)さおり。 中2で初めて同じクラスになって、彼女は俺の後ろの席に座った。 一目見て、他の女子とは違う、不思議な…だけど、柔らかくて温かい感覚を覚えた。