パァァッ!と上空に黄金の光がほとばしった。








驚いて見上げると、西の方向に光の柱のようなものがまっすぐ空に向かって延びている。









ゼロだ…!






ゼロが広場の方向を教えてくれてる!







私は歯をくいしばると
魔獣がゼロの魔力に気を取られているうちに、西に向かって走り出した。







魔獣は、私を追いかけてくる。




ゼロの魔力にも引き寄せられているようだ。





私は懸命にゼロの光の柱を目指して走る。





ここで諦めるわけにはいかない!!







ぐるぐると路地を走り抜けると、見慣れた大通りに出た。








「フィオネちゃん!広場まではあと少しだ!頑張れ!!」







上空からジンの声が聞こえる。






もうすぐ……もうすぐだ!



商店街の角を左に曲がる。








するとそこには



黄金の光に包まれた大きな剣を持った
小さな少年の姿があった。









「フィオネ!伏せろ!!」







その声に私はバッ、と地面に倒れこむ。







ゼロは両手に剣で持つと、思いっきり空中を斬り裂いた。






そこから大きな光の刃が魔獣に向けて放たれる。











町中が大きく震え










そして魔獣の倒れる音とともに



町を包んでいた銀色の光がふっ、と消えた。