私たちが宿屋を出ると、外は予想以上に混乱していた。





「魔族狩りが出たって本当かよ?」


「えぇ、都市から来ていた魔法使いがやられたらしいわ。」





町の人々は、口を揃えて魔族狩りのことを話している。





そんなに重大なことなのだろうか。





私がきょろきょろと辺りを見渡していると


路地を抜けた大通りに人だかりができているのに気がついた。





「ゼロ、なんだろう?」



「……どうやらやり合ってるみたいだな」





ゼロに連れられて、だんだん人だかりに近づいていく。





私はそこにいた男性に話しかけた。





「何があったんですか?」



「さっき、魔族狩りの奴らが通りを歩いていた魔法使いに目をつけたらしいんだ。」





男性は人だかりの中央を指差して言う。







その時だった。







ピカッ、と辺り一面に蒼い色の光が広がる。








「ぎゃぁぁぁっ!」








そして光の中から悲鳴のようなものが聞こえ




鈍い音が辺りに響いた。






まばゆい光で、一体何が起こっているのかもわからない。






「ゼロ!何が起こってるのか見える?」






魔力に当てられてふらつきながらゼロの方を見ると


ゼロは涼しい顔をしている。






「魔族狩りの方は低級だな。
………相手の方は違うみたいだが。」