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「あ!ゼロ!町が見えるよ!」
私はゼロの背中におぶさりながら、前方を指差す。
そこには高い壁に覆われた町が小さく見えていた。
「そろそろ………降りるぞ……。」
ゼロが小さく口を開く。
ゼロはそのまま森の出口まで飛んでいき
ちょうど抜けたところの草原に着地した。
私を降ろした瞬間、ゼロは
どっ、と片足を地面につける。
「ゼロ!大丈夫?………私重かった?」
彼の顔を見ると、ひどく疲れている。
「いや……。歩いて二日の道のりを魔法で飛んで来たからな……。
……少し魔力を使いすぎただけだ。」
ゼロは息を整えながら言った。
藍色の瞳は弱々しく光っている。
本当に大丈夫なのだろうか。
闇町で魔力を使ったとき、ゼロは平気な顔をしていたが、それは青年の姿に戻っていたからであって、
今の魔力を制限した姿では
普段の倍は疲れるのかもしれない。
ゼロはいつも平気な顔をしているから
私に弱みを見せてはくれないから。
私はゼロが心を開いてくれるように、もっと頼りがいのある相棒にならなければ
私は強く心に決めた。



