「このままだと巻き添い喰らうな…。」
ゼロは、ちっ、と舌打ちをして上空を見上げる。
「フィオネ、俺に掴まってろ。離すんじゃねぇぞ。」
ゼロは私をさっ、と抱きかかえた。
体が宙に浮いて、ゼロの瞳が輝き出す。
「あと三秒……。」
ゼロはタイミングを見計らって魔力を貯め続ける。
二秒……一秒………。
ゼロは地面を思いっきり蹴った。
私たちは空に高く舞い上がる。
次の瞬間、四方から鋭い爪を持った見たこともないほどの大きな獣が飛び出してきた。
「ぎゃぁぁぁぁ!!」
下では男たちの叫び声が聞こえる。
さっきまで私たちがいたところは、
地獄と化していた。
私は、ぞっとその光景を眺める。
「あいつらの馬鹿でかい魔力に引き寄せられたんだろうな。
…このまま空を飛んで森を抜けちまうか。」
ゼロは静かに呟いた。



