ゼロは目を閉じながら静かに言う。
「わずかだけど…俺たちの向かってる方向から魔力を感じる…。」
ゼロが顔をしかめた。
「面倒なことにならなきゃいいが…。」
そう、ゼロが言った時だった。
ビュゥゥゥ!!
凄まじい勢いで森の奥から風が吹いてくる。
私はとっさにゼロの背中に隠れた。
ゼロは一点を見つめて真剣な顔をしている。
ゼロの背中から覗くと、森の奥からマントを羽織った若い男が三人歩いてくるのが見えた。
「お!あんなところにガキがいるぞ。」
「しかも女連れだぜ!」
男たちが話しているのが聞こえる。
「……さっきの魔力はあいつらだな。」
ゼロが男たちを見ながら私に言う。
彼らは私たちの前に来ると、行く手を阻むように立ち止まった。
ゼロが、ギロ、と男たちを睨む。
「おい。お前ら、金目の物と、食料をここに置いていけ。」
男の一人が私たちに向かって低い声で口を開いた。
「…賊に堕ちた低級かよ……。」
ゼロが顔色一つ変えずに
ぼそっ、と呟いた。
その言葉に男たちの機嫌が一気に悪くなったのを感じた。
「あ?このガキ、今なんて言った?」
「俺たちの魔力を舐めてんのか?
おい、三人でやっちまおうぜ。」
そう言うと、男たちは一気に戦闘態勢に入る。
奴らの体から魔力が溢れ出す。



