『フィオネ……フィオネ!』





気付くと、そこは何も無い、一面、
白い空間だった。




何処からか、私を呼ぶ声が聞こえる。





ぱっ、と振り返ると、そこには見覚えのある白い髭の老人が立っていた。







忘れもしない。




その人は………








「ジェノバ!!」







私は彼の名前を呼ぶと、ばっ、と彼に向かって飛びついた。





ぎゅっ、と体を抱きしめる。







『フィオネ、久しぶりだな。ずっと見ておったよ。』







ジェノバの安心する優しい声が頭上から
聞こえる。





上を向くと、深いシワの入った顔が見えた。






「ジェノバ、ここは…?私…死んだの?」






すると、彼は笑って首を振った。






『ここはあの世ではないよ。フィオネにはまだ早すぎるからね。』






すると、ジェノバは私を優しく見つめながら言った。