私はゆっくりと首を横に振る。
少しも怖くない、と言ったら嘘になる。
でも、私の中で、もう決心はついていた。
たとえ、最悪の結末になったとしても。
私はこの世界にやり残したことなんてない…
ない………はず。
その時、私の脳裏に、ふっ、とある考えがよぎった。
私は静かに口を開く。
「…欲を言えば、ゼロと一緒に国中を回る旅に出たかったな。
私が見た世界は、まだ、この国のほんの一部なんでしょう? 」
ゼロは、その言葉を聞いて、少し目線を下げた。
ジンが、私を見て尋ねる。
「フィオネちゃんは、どうしてそこまで出来るんだい?……正直に言って、ゼロとは赤の他人だろ?
同情でここまで出来るとは思えない。
嫌なら無理はしなくていいんだよ?」
私は、ジンの言葉に答えた。
「私がみんなと会えて、ここに来れたのはゼロが私を“容れ物”にするって決めて闇町から連れ出してくれたから。
だから、私が“容れ物”にならなかったら、もう、ゼロと旅をする理由がなくなっちゃう。
一人に戻るぐらいなら……私は、最後まで、ゼロの相棒でいたいの。」



