すると、ジンはピクリ、と肩を震わせて
少しためらった後、私を真っ直ぐに見つめて言った。
「フィオネちゃんと別れた後、エドのソリに乗って、月の塔まで運んだんだ。
そして、ダリシーン王が持てる全ての魔力をゼロに注ぎながら治癒魔法をかけた。」
私は、ジンの表情が、決して明るくはないことに気がついた。
どくん、と私の胸が鈍く音を立てる。
…え
ま…まさか
「それで、ゼロは…………「嫌!!」
私は、ジンの言葉を遮るようにして叫んだ。
ジンが驚いた様子で私を見る。
もし……私が想像しているような答えが返ってきたとしたら?
私に魔力を分け与えたせいで……
ゼロの治癒力がなくなってしまっていたとしたら?
……聞きたくない!