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「ん………。」







ふっ、と気がついて目を開けると


そこは願いの町にあるカトレアの宿屋で、私が泊まっていた部屋の中だった。






ぼーっとしたまま、ゆっくりと起き上がると、私の寝ていたベッドの横で、ドロシーがすやすやと寝息を立てている。






ドロシーが…この部屋に来て私を看病してくれてたの?







その時、部屋の扉が、キィ、と開いた。




扉から、ひょっこりとジンの顔が覗く。







「あ、フィオネちゃん!よかった…気がついたんだね。」






ジンは、そう言って安心したような表情を浮かべ、コツコツと私の方へと歩いて来た。








「もう三日も眠ったままだったんだよ。気分はどう?」







み…三日も?




私は驚いてジンを見上げた。





そんなに意識をなくしたままだったのね。





私は、ゆっくりと息を吸う。






不思議と前に魔法を使った時のように、
体がだるくなったりはしていない。