少し走ると、森をぬけ、開けた所に出た。
辺りを見渡すと、そこには傷を負ったガーディアンの二人と大きな牙を光らせた猛獣がいた。
「フィオネ!ゼロは大丈夫なのか?!」
レオが私に気づいて叫ぶ。
「えぇ!ゼロは今、ジンとエドが塔まで
運んでいるわ!
…絶対死んだりしない。」
私は強くそう言った。
ブラッドも、その言葉に頷く。
その時、ナイトメアが私の姿を捉えて、
ぐるる、と喉を鳴らした。
〝オーランドの末裔よ……やっと見つけたぞ!こいつらとまとめて喰ってやる!〟
ナイトメアは、大きな雄叫びを上げて
私に向かって鋭い爪を振り上げた。
ブラッドが、光の盾を作ってそれを防ぐ。
「フィオネさん!俺たちが奴の動きを封じるから、その間に頼む!」
私は大きく頷くと、ぐっ、と体に力を入れて、思いっきり地面を蹴った。
ふわり、と体が宙に舞い上がる。