「……ん……っ!」






ゼロは私の頭に手を回して、
さらに強く私を引き寄せる。






ゼロに唇を塞がれた瞬間から、体じゅうが熱くなる。




不思議なエネルギーが私に流れてくるようだ。






ゼロは、徐々に少年の姿へと戻っていく。

















「……は………。」














小さな声とともに、ゼロが私からそっと
離れた。






私は、状況を把握しきれずにゼロを見つめる。






その時、体じゅうが熱くなり、私の碧色の瞳が輝きだした。








ゼロは苦しそうに息をしながら口を開く。




「…俺のありったけの魔力だ…。
これで夜が明けるまでは持つだろ……。



…大丈夫だ…フィオネ。お前なら出来る」










そう言い終わると、ゼロは私の後頭部に回していた手を離し







ふっ、と目を閉じた。








「ゼロ!!」








呼びかけても反応がない。