「ジン!早く…早くゼロを治癒魔法で治して!


…このままじゃ…ゼロは…!」





私がそう叫ぶと、ジンは険しい顔をしながら言った。





「これは…酷い傷だ。裂傷が深すぎる。
僕のコピーの治癒魔法では治せないよ…」












そ…そんな……。






嘘でしょう………?







じゃあ、ゼロは助からないの………?







ジンが私を見ながら言った。





「今から急いで願いの町の塔に運べば…
…!

ダリシーン王は治癒魔法を使えるはずだ。
僕のコピーよりもよっぽど質がいい。」






私は、その言葉を聞いて
はっ、と思い出す。





そうだ……!





ルナータが、ダリシーンはルークの不治の病を治癒魔法で治した、と言っていた。





彼の力ならゼロを助けられるかもしれない!





ジンが、私を見ながら強く言った。





「僕が運ぼう。…ゼロは死なせないよ。」




その時、ゼロがゆっくりと口を開いた。