「奴は、こう言ったんだ。
“民の病を私がいちいち治していたらキリがない。そんなものは、お前が命を削ってでも魔法を習得して、お前自身の魔力でどうにかしろ。
それは私の管轄ではない。”
………。」
ルナータは、異空間の奥に向かって、大きな闇の火の玉を、ドォン、と飛ばした。
ギリギリ、と歯を食いしばっている。
空間が大きく震える。
そして、ルナータは感情をむき出しにして叫んだ。
「何が“私の管轄ではない”だ!民のための王じゃないのか?!!
そうして断られた日の夜に、弟は亡くなったんだ!あの時なら、まだ間に合った!
………間に合ったのに……。」
ルナータは、はぁはぁ、と荒く呼吸をしている。
………確かに、ダリシーンはルナータの弟のことを聞いた時に、その願いを受け入れていれば、必ず弟を救えたはずだ。
ルナータが恨みを持つのも………わかる。



