なんとなく嫌な胸騒ぎがする。
何か、闇の気配が、音を立てずに忍び寄ってくるような……。
その時、ダリシーンが口を開く。
「町の周りに闇避けの結界を張っておく。
…奴がリベリオンの手下をおびき寄せでもしたら面倒だからな。」
そんなこと出来るんだ…!
確かに、一国の王ともなれば、町全体に魔法を簡単にかけられちゃう力があってもおかしくない。
そういえば、ゼロも闇町で、町全体に魔法をかけてたな。
あの頃が懐かしい。
あれが、青年ゼロを見た最初だった。
私を支えてくれた手の感触は今でも覚えてる。
私は、ぎゅっ、と自分の手を握った。
ゼロが元の姿に戻るためにも、この作戦は絶対成功させなきゃいけないんだ。
なんとしてでも……。
ナイトメアの復活だけは避けなければならない。
ゼロが、すっ、と立ち上がって言った。
「じゃあ、当日まではルナータの動きに敏感に反応できるように魔力を溜めとくよ」
ゼロは、「行くぞ、フィオネ。」と言って私の手を取った。
そして、すたすたと歩いて、部屋の扉を
開ける。
その時、ジンがゼロに向かって言った。
「ゼロ。……無茶だけはするなよ。」
ゼロは、振り向くことはなく「わかってるよ。」と呟いた。



