ゼロも、その言葉を聞いて、ピクリと反応する。
ダリシーン王が、魔法を使う…。
王の魔法は、都市で少し見ただけだけど、凄まじい威力と魔力を持っていた。
ルナータ一人を捕まえるのなんて、簡単そうに思える。
その時、ゼロが、この場にいる全員に向かって言った。
「奴は殺さないように頼む。
…それは俺の仕事だから。」
一瞬、時が止まった。
ゼロの、今までに見たこともないほどの
鋭い視線に、その場にいた全員が息を呑む
ゼロの瞳は、まるで、獲物を目の前にした魔獣のようだ。
ダリシーンでさえも、いつもの表情とは違い、少しゼロに対して恐れのようなものを感じている瞳をしている。
これが、ゼロの奥底に眠っていた本能なんだ。
この瞳が、私に向けられていたかもしれないと思うと、体がこわばる。



