「ご注文は、何にされますか?」
マスターが、私たちの方へと声をかけた。
んー…どれにしようかな。
ゼロは多分、ココアでしょ?
私もココアにしようかな。
「コーヒーで。」
ゼロがさらり、とそう言った。
え?
「ゼロ、ココアじゃないの?」
まさか、マスターの大人な色気に影響を受けちゃったとか?
「たまには甘くないのもいいだろ?
俺だって元はガキじゃねぇんだよ。」
十八でも、普通にココア飲んでいいのに。
今は少年の姿なんだから、恥ずかしいとかも無いし。
「そっちのお嬢さんは?」
「あ、私はココアで。」
ゼロがピクリと眉を動かした。
実はココア飲みたかったんじゃないの?
こういうカフェでコーヒーを飲むっていうのはなんか大人な感じで憧れるけど。
ゼロはなんだか背伸びしちゃった子どもみたいに見える。
事情を知らない人から見れば、可愛らしく見えるんだろうな。



