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もうすっかり見慣れたこの町を、私とゼロは並んで歩いて行く。
塔に背を向けて進むと小さなカフェがあることに気がついた。
「冷えるし、中でちょっと休むか?」
ゼロが外套をぎゅっと体に巻いて言うので私は、こくん、と頷いた。
カラン
扉を開けると、小さな鈴の音がして
コーヒーの香りがふわっ、と私たちを包む
「いらっしゃい。どーぞ、窓際のお席へ」
小さなカフェには、店主と思われる男性が一人いるだけで、
整えた黒い髭がなんだか大人な感じだ。
ベルの酒場のようにカウンターもあるが
ここは歴としたカフェのようだ。
見た感じではお酒は置いていない。
私たちは案内された窓際の席に向かい合って座った。
座った瞬間、ふぅ、とゼロが息を吐く。
「ここのマスターも、ブラッドさんと知り合いなのかもな」と、ゼロはちらり、と男性を見ながら言った。
確かに、同年代らしき印象を受ける。
ブラッドさんよりも大人の色気がムンムンだけど…。



