え!
ブラッドさんってここが故郷なんだ!
ゼロとジンも、初耳の話らしい。
レオがニヤニヤしながら言う。
「おまけにここの宿屋の美人とは訳ありですもんね。頑固なまでに泊まらないって言うんだもん。」
うるさい、黙れ!と、ブラッドはいつもと違い、少し動揺してレオを怒鳴りつけた。
頬が少し赤くなっている。
へぇ……。
あのカトレアさんと知り合いなんだ。
故郷なら、知ってて当たり前よね。
………訳ありってどういうことだろう?
ブラッドは、レオをきっ、とした目で睨みつけると
「ダリシーン王。明日の朝にはまた参りますので。」
と、言い残して、スタスタと歩いて行ってしまった。
「ブラッドさんの実家ってどこなんですか」
私が尋ねると、レオが、にっ、と微笑んで答えた。
「あの“月の塔”さ。ブラッドさんと180度違う可愛い妹がいるみたいだけど。
…フィオネたちは会ったことあるんだろ?」



