そのセリフに、ゼロはピクリと反応する。
そうよね…。
誰でも出来ちゃったら、国が成立しないもの。
しかし、ゼロはひるむことなく頑なにダリシーンから目を離さない。
諦める様子もないようだ。
すると、ダリシーンは目をつぶって、そしてゆっくりとゼロを見た。
長い沈黙を破って、ダリシーンの低い声が辺りに響いた。
「しかし今回は相手が悪い…これは異例として…
お前に執行を許可する。」
え……
う………嘘………。
ジンも夢かとばかりに驚いている。
言ったゼロ本人でさえ、目を見開いている
「…奴は私の魔力が弱まる月の出ない晩に魔獣の封印を解くつもりだ。
……お前が次に青年に戻るのはいつだ?」
ダリシーンが、ゼロに尋ねる。
ゼロは、はっ、と我に返って答える。
「…一週間後の、“朔旦冬至の日”……。」



