………。
………え?
「ま…待って、もう一回言って?!」
私はベンチから、ばっ、と立ち上がると
ゼロの肩を勢いよく掴んだ。
「……聞こえなかったのかよ。」
ゼロは目を細めて私を見る。
ち……ちがう、そうじゃなくて!
意味が理解できなかったというか……。
動揺して思うように言葉が出ない私を見てゼロは藍色の瞳でじっ、と見つめて言った。
「…フィオネを“容れ物”にはしないって言ったんだ。」
な………
「何で………?」
私の言葉を聞いて、ゼロは驚いたような顔をした。
私の口から、“どうして私を容れ物にしないの?”と聞かれるなんて思ってなかったんだろう。
でも、それはわたしの素直な気持ちだった
ゼロに同情した訳じゃないけど、それ以外に元に戻る方法があるの?
ゼロは、少しの沈黙の後
私をベンチに座らせて言った。



