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宿屋について、部屋の扉を開けると
そこには小さな寝息を立てている少年の姿があった。






…こうしてみると、やっぱり幼い普通の
少年だなぁ…。







黄金の髪の毛にそっと手を触れる。





この姿でもあんなに強い魔法を使えるんだもんね。





元の姿に戻ったら、…本当に桁違いのレベルになっちゃうんだろうね。








私は、静かに彼の顔を見つめる。








そんな強力な魔力。




私が受け止めきれるわけないじゃない。








マグレで魔法を使えちゃったようなただの人間に。





ダリシーンの魔法も重なるともなれば
ゼロがためらっていた理由もわかる。






やっぱり、私を“容れ物”にすると、生き残るのが奇跡的なのか。






ふと、そんなことを考えてしまう。






彼の隣にいることは、自分で決めたことだけど



やっぱりこういう事は考えてしまう。