《ゼロside》
「ゼロ、どうする?!このままじゃ魔獣達を追い越して一気に結界で倒すのは無理だ!」
ジンが前方を見ながら俺にそう言った。
確かに、今の状況は想像もしてなかった。
……くそ。
黒マントの奴のことは盲点だった。
まさか、町に魔獣達を攻め込ませるなんて
……一体、何が目的なんだ?
でも、奴が現れた時に地響きが始まった。
黒マントの男は、本当に
百年前の王の血を引く末裔なのか……?
ガォォォオオォ!!
再び魔獣の雄叫びが響いた。
俺は、はっ、と我に返る。
目の前を見ると、魔獣達がもう町から二キロもないところまで来ている。
………時間が無い!
その時、俺の脳裏にある考えがよぎった。
ただ、これは一か八か…どうなるか分からない。
ジンの作戦よりも常識破りで
本当の博打だ。
「ゼロ!どうする?!」
『ゼロさん!』
ジンとドロシーの焦り声が聞こえる。
迷っている暇は無い。



