その時、ゼロは、ふっ、と真剣な顔をした
私とジンは、雰囲気の変わったゼロの方を見る。
「……宿で言おうとしてたことなんだけど…。
実は昨日の夜、例の“黒マント”の男がこの町に入ってくる気配を感じたんだ。」
ゼロの言葉に、私たちは目を見開く。
「邪悪な魔力は感じなかったから放っておいたんだが…。
…今朝になってから、気にしなければ分からないほどだけど、町の中から微かに闇の魔力を感じる。」
そう言われると…と、ジンは腕を組んだ。
「確かにどこかおかしいね。
……地震が起きてからは特に。」
その言葉に、私の胸が鈍く鳴った。
「もしかして、その男が、ナイトメアの魔力を操って、この町に魔獣を呼び寄せているんじゃ……。」
私がそう言うと、ドロシーは「可能性も、無くはないですね…。」と言った。
本当に、その“黒マント”が百年前の王の血を引く者だったとしたら…。
「魔獣が集まってくる前になんとかしなきゃな……。」
ジンはそう呟くと、ゼロの腕をぐいっ、と掴んで引き上げた。
「ちょっとその辺を飛んできてくれないか?ゼロ。」
「………あ?」



