もちろん、ダリシーンのことを許していた訳ではなかった。
両親のことも、ゼロにとっては辛く、思い出したくない過去だ。
魔力も制限されて、おまけにあの体。
ダリシーンを恨んで当然だ。
だけど、彼はダリシーンを殺そうとは考えていなかった。
奴を魔力の“容れ物”にすると、言っていたのは、嘘ではなかったはずだ。
なのに、どうして?
その疑問は、彼女を見た時にすぐに分かった。
いつもゼロの隣にいる彼女は、ゼロの“闇”の部分をすべて浄化していた。
彼の“傷”を癒していた。
それは、大切な人を奪われた、孤独なもの同士だから出来ることなのか。
それは僕にもわからなかった。
ただ、ゼロは感情を取り戻していた。
ポーカーフェイスで、あまり自分を語りたがらないゼロは、ダリシーンのこともあり、人を信じられなくなっていた。
しかし、星の町で再会した時、フィオネには、どこか気を許し始めているような気がしていた。
それは、この町で再開した時、確信に変わった。
やはり、ゼロはフィオネに心を開いている、と。
《ジンside終》



