《ジンside》
「そんなことはないわ。
……多分、闇町でゼロと旅に出る時に聞かされていたとしても
私は“ゼロ”を選んだと思う。
あの朔の日にゼロの背中で泣いた時から、私はもうゼロから離れられなくなっていたんだもの。」
僕は、それを聞いて、驚いたようにフィオネを見た。
「死ぬのが怖くないのかい?」
僕は、無意識のうちにフィオネにそう聞いていた。
すると、フィオネはまっすぐと僕を見ながら答えた。
「私にとって、大切な人に死なれることほど、辛くて怖いことはないわ。
…闇町でのジェノバのこと以上に怖いことなんて、私にはないの。」
そういえば、レオが連絡をしてきた時に言っていた。
“フィオネがあのダリシーン王に喧嘩を売ったんだよ。ジンも生で見れればよかったのにな。
すごかったぞ。
“死”なんか、微塵も恐れてなかった。”
目の前の少女は、星の町で、上級の魔法使いでも恐れる魔獣にも、僕が気休めに渡した小型のナイフで、一人で立ち向かっていった。
案の定大怪我をしたくせに、自分のことよりゼロの心配をしていた。



