最果ての丘に封印された魔獣のことは、
ラグナから聞いていた。
誰にも手がつけられないほどの力を持った魔獣で、最果ての丘にあった町をすべて破壊してしまっていたが、
百年ほど前に、その時の国王によって
丘に封印されたらしい。
そういえば、グランに詳しい話を聞こうとして、すっかり忘れていた。
ゼロが、ジンに尋ねた。
「その魔獣は、封印されたはずだろ?
なんで今頃になってそいつの影響が出てきてるんだ?」
ジンは、ゼロの方を見て答えた。
「その封印は、その魔法をかけた者にしか解けない仕組みになっているらしいんだけど
なんでも、ここ一ヶ月前からその封印が
徐々に緩みつつあるらしい。」
私は驚いてジンを見た。
「その魔法をかけた王って、百年前の話よね?もう亡くなっているんじゃないの?」
私の問いかけに、ジンは難しい顔をしたまま答えた。
「もちろん、生きているはずは無いんだが…
これは憶測だけど、その王の血を継いだ者が、最果ての丘に近づいていて来ているんじゃないかと思ってるんだ。」



