女性は青年に持っていた包みを渡すと
しゅんとした様子で町中へと走って行く。
すると、それを見送った青年が、
くるり、とこちらを振り向いた。
蒼瞳と目が合う。
「…あれっ?ゼロとフィオネちゃんじゃないか。」
その青年は、私たちを見てにこっ、と
微笑んだ。
「…ジン。お前、なんでこの町に?」
ゼロが驚いたようにジンに尋ねた。
彼は、宿屋のベランダの下に来て、答える。
「…少し、この地に異変を感じてね。
ゼロと別れた後、すぐにこの町に来たんだよ。」
異変?
私の目には、普通の町に見えるが
ジンは、他の“何か”を感じているようだ。
「ゼロ、お前も感じているだろう?
……“禍々しい気”が、少しずつ漂ってきていることに。」
私は、隣にいる少年を見た。
彼は、少し目を閉じて、感覚を研ぎ澄ませながら言った。
「気のせいかとも思っていたんだ。
…なんせ、この体はうまく魔力を感じられないからな。」
ゼロは、「微量しかわからなかったが…やっぱりそうか…。」と、小さく息を吐いた。
その時だった。



