ゼロの相棒






「素敵な町ね…。旅の途中で、この町に来れてよかったわ。


明かりがあまりないのは闇町と一緒だけど、この町はどこか温かいわね。」





私はぽつり、と呟いた。




ふいに、今までのゼロとの旅を思い出す。




闇町を出てから、彼とはずっと同じ時を歩んできて、いろいろな経験もした。



これは、ゼロが私を闇町から連れ出してきてくれたおかげなんだ。





私がそう言うとゼロは何も言わなかったが

彼が少しいつもと違う“気”を放っているような感じがした。




それが何なのかは、今の私にはわからなかった。






少しの沈黙の後、ゼロは部屋についているベランダへと出た。




私も、ベッドから起き上がると、
ベランダに出て、ゼロの隣に並ぶ。




そこは、夜の冷たい空気が吹いていたが
寒さなんて気にならないほどの美しい夜景が広がっている。






宿屋の目の前には、先ほど見た塔が
存在感を漂わせてそびえ立っていた。




塔には、レンガで作られた窓が一定の間隔でついていて、そこからは明るい光が漏れているのが見える。




私たちは、二人並んでその塔を見つめて
いた。