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「じゃあ、そろそろ都市を出よう。
フィオネ。」
城を出た後、ゼロは私を見上げてそう言った。
ついに、都市を出発する時が来たんだ。
私は、ぐるり、と都市を見回して
辺りの景色を目に焼き付ける。
「最後に、ラグナの店に寄らなきゃな。
……あいつ、約束破るとおっかねぇから」
そうだ。
ラグナに、都市を出る時は必ず店に寄るように言われていたんだった。
私たちは、町の大通りを歩きながら
魔具ショップを目指す。
数分歩くと、赤い屋根の店が私たちの目の前に現れた。
ゼロが、カラン、と店の扉を開ける。
中から、威勢のいい青年の声が聞こえた。
「いらっしゃー……。
って、フィオネとゼロの兄貴じゃないっすか!」
カウンターにいたジェフが、私たちを見て店の奥に向かって叫ぶ。
「ラグナー!!兄貴たちが来たぜー!」
すると、奥の部屋から深い紫色の髪の毛の女性が、こちらに向かって歩いてきた。



