私は、ラグナに尋ねた。



「ゼロは最果ての丘に行きたいと言っていたんだけど、なにも無いところなのよね?」






私の質問に、ラグナは目を丸くした。



ゼロってば、そんな所に行こうとしてるの?、と驚いたようだ。





「最果ての丘は、自然以外はなにも無いわ。


……まぁ、そうなったのは、昔そこに生息していた魔獣が全てを壊してしまったからだって言い伝えられているけど。」




ラグナの言葉に、私は少し驚いた。




魔獣がいたんだ。


ゼロの話では、一匹もいないと聞いていたけど。




「そこにいた魔獣は、たった一匹だったらしいんだけど、凄まじい魔力を持っていて、誰も太刀打ちできなかったみたい。



たしか、百年前ぐらいの王が、その魔獣を最果ての丘に封印して、この国に平和が訪れたらしいわ。」







百年前ぐらいといえば、グランが城に使えていた頃の話だ。




グランの話に出てきた、禁忌を作り出した王も、たしか百年前の王だったような。





帰ったら、グランにも聞いてみよう。