「さっき、名前で呼んでくれたから。
自己紹介まだだったのに、覚えてくれてたんだ、って思って…。」
私の言葉に、ラグナは目を見開く。
「…べつに、ジェフが、
フィオネ、フィオネって言ってたから覚えただけよ。」
なんとなく、ラグナさんとの距離が近づいた気がして、嬉しいな…。
そのあとは、二人とも会話もなく
並んで町を歩いていたが、
少し進むと、大通りに人だかりができていることに気がついた。
私とラグナも大通りに向かって歩いて行く。
人だかりに差し掛かった時、ラグナの顔が一変した。
「あれは……!鉢合わせたわね。」
ラグナの見ている方向を見ると、二色のガーディアンに囲まれた、黒いマントの男性がいた。
「ラグナさん、あの人は?」
私が尋ねると、ラグナは顔色を変えずに答えた。
「この国の王、ダリシーンよ。」



