私たちを乗せたソリは、ゆっくり大きな門の前で動きを止めた。
エドウィンは、ゆっくりと手綱を引く。
「着きましたぞ。ゼロ様、フィオネ様。
それでは、良い旅を。」
そう言うと、エドウィンは再びソリを宙に浮かせて
都市の上空へと飛んで行った。
「…フィオネ。行くか。」
ゼロがゆっくりと私の方を向いて言った。
「うん。」
私はゼロの横に並んで歩き出す。
大きな鉄製の門をくぐると、そこは別世界だった。
「わぁ……綺麗…。」
都市の中心には大きな噴水があって、シャボン玉があちこちに飛んでいる。
私は瞳を輝かせて辺りを見渡す。
そこらじゅうに杖を持った人や、ほうきを担ぐ人がいる。
みんな魔法使いなんだろうか。
その人たちを見ながら、ゼロが言った。
「魔法使いは、道具がなくても空を飛んだりできるけど
魔力が弱いやつは、魔力が込められた道具を使ってカバーするんだ。」
へぇ…そうなんだ…。
「それって、人間の私でも使えるの?」
私が尋ねると、ゼロは、うーん、と
考えてから
「素質があればな。」
と、笑って言った。



